日本子どもNPOセンター学習会〜
子どもの権利条約と子ども観
子どもにやさしいまちづくりをめざして
くれよんくらぶ537号
事務局長 菅野 司
 
 7月9日(土)早稲田大学戸山キャンパスを会場に、午後1時から5時まで、日本子どもNPOセンターが主催する学習会と意見交換会が開かれました。第1部の学習会は「子どもの権利条約と子ども観・・・子どもにやさしいまちづくりをめざして」と題して、早稲田大学教授の「喜多明人さん」が講演を。第2部は「子どもの今と未来・・・子どもNPOのこれからを考える集い」と題して、参加者による意見交換会でした。全国から100人近い参加者があつまり、熱い熱い討論を繰り広げました。ちなみに第2部のコーディネーターは大田のふぼれんが担当しました。
 
 1989年、国連で採択された「子どもの権利条約」は、細川政権下の1994年に日本で承認されました。ちなみに世界138番目の承認でした。喜多明人さんは日本子どもNPOセンターの理事と共に、子どもの権利条約ネットワークの代表もしています。1時間を少し超える形でレジメにそって話が進みました。以下はレジメの内容です。
 
@のタイトルは、「なにを問題にするのか」です。
 喜多さんは、「大人の努力だけでは子どもを守れない時代になった」と語り始めました。子ども自身が、自分の力にきづき、信頼し、蓄えて、生きる力につなげることができるようにすることが大切としながら、「人間としての成長を支える2つの権利」として、「教えられて育つ」「自分の意思と力で育つ」をあげていました。(条約の28・29と8・12・31)
 
Aのタイトルは「子どもの現状をどうとらえるのか」です。
 ここでは、「子どもと大人の意識・実感のズレの問題」として、高浜市のアンケート調査の内容を別紙で見せてくれました。「あなたは自分のことが好きですか」という問いに対して、好き17%、どちらかといえば好き21%で合計39%。嫌い6%、どちらかといえば嫌い12%で合計18%。どちらともいえないが44%。それに対して大人への設問では、「あなたの子どもは自分のことを好きと思っていますか」に対して、好き56%、どちらかといえば好き30%で合計86%。子ども39%に対して大人86%、この開きをどのように見るのかです。
 
Bのタイトルは「大人が新しい力をもつ」です。
 世田谷区の「羽根木プレーパーク」(当日はプレーパークからリーダーの天野さんも参加)の活動を紹介。子どもたちに選ばれている大人たちの姿と、安心して子どもが自分自身を出せる関係をつくることが大切と話していました。喜多さんは「健全育成条例から権利擁護条例」へ、子ども条例のあり方に触れ、、「安全・安心できるまちづくりと『安心して学べる』環境の整備」をと提案しました。しかし、「権利が入らない子どもたちにも目を向けるように」と話しかけます。「自殺苦・虐待死」などに、もっと関心を持つってほしいと語りかけました。
 
Cのタイトルは「子どもの意見表明・参加の支援」です。
 子どもを主役となる「審議会」が全国に増えてきているが、「めんどくさい」「めだちたくない」「わづらわしい」という層が増え、審議会づくりがむずかしくなっていている。それへの対応と研究をどのような視点ですすめるのかと、次の点を強調しました。子どもに対する「待ちと見守り」、「子どもが経験とつむこと」への支援などが、各自治体の経験として話されました。
 
D最後は「子どもにやさしいまちづくりにむけて」というタイトルです。
 この部分では、「市民NPOと自治体との連携と協働」という視点で問題を提起、各地の実践を紹介しました。世田谷・川崎のプレーパーク活動、近江八幡におけるジュニア会議など。特に、「自治体支援型参画事業とNPO委託型参画事業」との違いにふれ、市民NPOの先見性と重要性を、参加者に語りかけました。ハード面は自治体、ソフト面はNPOという自治体が増えてきているそうです。
 
 第2部は、以上の講義を受けての意見交換会として開催されました。参加者の特徴は、各大学の研究者とそれぞれのゼミの学生の参加が目立ちました。また全国の「チャイルド・ライン(牟田悌三日本子どもNPOセンター代表理事が代表をしている)」のスタッフも大勢参加。杉並区や我孫子市の担当行政マンなどの参加も目立ちました。その他にも、NPOとして学童保育・児童館・保育園などを運営しているスタッフが、「子どもの権利をベースにした施設運営あり方」の研究として随分参加していました。日本冒険遊び場づくり協会の方たちの参加も目立ちました。日本子どもNPOセンターには筑波大学の学長を始め、多くの大学関係者が結集してきていますが、小中学校の校長先生の姿も参加者のなかにはありました。意見交換会では、それら多くの参加者から現代の子どもたちの姿がリアルに語られました。次回は9月20・21・22日の三回連続で、児童精神科医の佐々木正美さんを講師にしての連続講座です。
 
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