たすけあいささえあい
世代を超えた子育て  親子集う安らぎの場
東京新聞12月
くれよんくらぶ677号
 
失われた地域のつながり…
 品川の街にたくさんの「おばちゃん」を―。子育てを核に、若者からお年寄りまでが集まる場づくりを目指す特定非営利活動法人(NPO法人)「ふれあいの家 おばちゃんち」。品川区内で子育てサロンを2カ所構えるほか、保育サポーターの育成、派遣など活動の幅を広げている。世代を超えた子育ての輪は、失われた地域のつながりを再生させる可能性も秘めている。(小嶋 麻友美)
 
「ふれあいの家おばちゃんち」
 毎週月曜の昼間。JR大崎駅近くのマンションの一室を、五組前後の親子が訪れる。
 
 NPOの発起人、渡辺美恵子代表理事(62)の別宅を開放した1LDKで、子育て中の母親たちがお昼ご飯やおやつを食べたり、子どもを遊ばせたりしながら、くつろいだひとときを過ごす。部屋の名前は「みこおばちゃんち」。口コミで伝わり、区外から訪ねる親子も多い。スタッフは「みこおばちゃん」こと渡辺さんのほか、元保育士や児童福祉を学ぶ近くの大学生ら。生後数ヵ月から1歳半ぐらいまでの親子が対象だ。
 
 11ヵ月の長女を連れ、9月から通い始めた育児休業中の笹谷香織さん(30)=目黒区=は「ここに来ると、子どもが自然と遊び始める。自分自身の悩みも相談できて心強い」と話す。「入園前は母と子で一対一になり、引きこもりがち。母親が楽しければ、子どもにも優しくなれる」と渡辺さんは効用を説く。
 
 NPOはまた、北品川児童センターに毎月第三日曜、地元の高校生、大学生らもボランティアで参加する「ホットほっとHOT」を開設。2カ所の子育てサロンを合わせて、利用会員は約百五十人を数える。さらに10月からは子育てサロン以外にも、地域住民らが運営する交流サロン「ニッコリータ」を手伝い始めた。学童クラブだった空き家を活用し、週二日開設。親子のほか、高齢者や障害者も一堂に集まれる触れ合いの場となっている。
 
 渡辺さんは、元は中野区の児童館職員。子育てに悩む母親の相談や虐待を経験し、何とかしたいという思いを募らせていた。定年まで二年を残して退職、実家のある品川区に戻り、同区内の児童館職員や保育士ら10人で2003年、NPOを設立した。
 
 NPO名に「おばちゃん」と冠したのは、雨が降ると傘を貸してくれたり、鍵がなくて家に入れないでいると「うちにおいで」と招き入れてくれた"近所のおばちゃん"のイメージから。「核家族で地域のつながりもなく育った今の親世代が、いきなり育児に直面して戸惑うのは当たり前。老若男女、皆で子どもを見守る場を作りたい」と話す。
 
 子育てサロンからは育児に関するホームページを運営したり、情報誌を発行するグループも生まれた。「どんどんのれん分けをして、おせっかいな"おばちゃん"を増やしていきたい」と意欲は尽きない。
 
<問い合わせ> 渡辺さん=電03(3471)8610
<ホームページ> http://obachanchi.org/
 
事務局長コメント
ふぼれんと渡辺さん(日本子どもNPOセンター常務理事)との出会いは古い。今は日本子どもNPOセンターで共にがんばっいている仲間である。
 
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