若い団体との連携模索
国際婦人年連絡会 30周年
東京新聞 2005年 
くれよんくらぶ689号
 
思想・信条を超えた41の女性団体でつくる国際婦人年連絡会が、結成30周年を迎えた。国連の動きに呼応し、政府や自治体へ要望するなどの活動をしてきた。先月末には、記念のイベントが東京都内で盛大に開かれたが、メンバーの高齢化で一時の勢いを失いつつあり、若い世代との連携を模索している。
 
問題解決まだ 男女平等 無関心層増加
高齢化進み活動に陰り
 国際婦人年連絡会が結成されたのは、「平等・開発・平和」を目指して国連が国際婦人年と定めた1975年。同11月に41団体で開いた「国際婦人年日本大会」がきっかけになった。今は亡き市川房枝さんが委員長になり、同年12月に「国際婦人年日本大会の決議を実現するための連絡会」(現・国際婦人年連絡会)を結成。後に53団体に増えた時期もある。連絡会が最も盛り上がったのは、79年暮れの国連総会で日本政府も賛成した女子差別撤廃条約を、85年に批准のためには多くの国内法を整備する必要があった。その一つが男女雇用均等法だ。働く女性も一般の女性も一緒に活動し、世論形成に大きな役割を果たした。99年には女性たちが長年求めてきた男女共同参画社会基本法ができ、翌年には基本計画が作られた。行政改革で2001年には内閣府に「男女共同参画会議」ができ、その事務局として男女共同参画局が設置された。しかし、30年が経過したことで、女性団体を担ってきた人々の高齢化が進み、かつての勢いは感じられない。
 
 同会世話人の一人で、日本YWCA理事の江尻美穂子さんはその理由を「男女不平等の中で働いてきた戦前の女性の苦労が軽く受け止められ、法的には整備されつつある男女平等が当たり前に受け止められるようになった。その結果、物質的豊かさを追求し、世界の情勢にも、国の政治にも『女は家庭へ』という回帰的な動きにも無関心な人が増えているからではないか」と分析する。しかし、「時代の流れだから」と済ませられるほど、女性を取り巻く状況を楽観はできない。今回の大会でも、▽管理職に女性を ▽パート労働者の均等待遇の実現 ▽男女雇用均等法の改正 ▽性別役割分担を前提にした社会を改めるなど、「労働」「家族・福祉」など6つの委員会から課題と行動計画が示された。
 
 江尻さんは「問題解決の近道は、女性が政策決定の場に多数参画することや、日本の社会は男性にも住みにくいので、ジェンダー(社会的差別)平等の視点に立つ男性を増やすこと。これらの方策はそのまま、私たちの活動を活性化させる起爆剤になるでしょう」と強調する。若い人たちに、どうしたら問題意識を共有してもらえるのか。どうしたら一緒に働いてくれるのか。次の時代をにらんで、運動を担ってきたメンバーらは模索している。同会事務局長の山口みつ子さんは、「電子メールを使えば、忙しい若い人でも簡単に活動に参加できます。若い団体と積極的に連携していきたい」と提案する。さらに、「若い世代の中にも、環境問題とか夫婦別姓、エイズの問題など、個別のテーマで一生懸命活動している人たちはいる。こうした人たちとの横のつながりを築ければ、女性を取り巻く社会的、政治的な問題に立ち向かう新たな力に育っていくのではないでしょうか」と期待を込める。
【ふぼれん事務局長(菅野司)コメント】
 東京新聞に「男女平等」に関する記事が掲載されていた。日にちは不明です。男女平等運動の高齢化が進んでいることが指摘されています。8月の「ジェンダー研究フォーラム」に参加しても、本当に高齢者の社会となっています。2・3年前の神奈川県江ノ島での神奈川のメンバーとの懇談会でも、50・60代の大田のメンバーを前にして「お若いたちばかりでうらやましいわ」といわれるほど、相手の方たちは70・80代の方たちばかりで構成されていました。
 
 男女平等に関する関心も、エセナをみれば極端に悪化してきています。以前は男女平等をめざす団体が数多くありましたが、ここ10年でふぼれんを除くと、そのような団体は皆無です。以前からふぼれんは、エセナを中心に「男女平等推進団体連絡会」を設置してほしいと提案してきたのですが、男女平等を専門に研究・追及する団体は姿を消し、以前の高揚した面影はもうどこにもありません。
 
 若い人が関心をもって男女平等運動に参加することのできる課題は、いまでも数多く存在することは「ジェンダー研究フォーラム」に参加するとよくわかります。ようは、運動を担う方たちが、現代社会にふさわしい課題を明確にすることなのだと思います。いちど、エセナで「現代社会と男女平等運動の新しい課題」というようなテーマのシンポジウムを開催すべきだと思うのですが。課題が明確にならないまま、トキだけがやたらに過ぎていきます。
 
 早くしないと男女平等運動は、言葉だけで実体のない運動になる可能性があります。ぜひ、エセナで「エセナの役割と現代の課題」をテーマしたシンポジウムを開催してほしいと願っています。現代は、まだまだ、男女平等の社会にはなっていません。課題はいっぱいあります。いたずらに「ジェンダーフリー」論争に引き込まれ、本来の男女平等社会の実現のための運動がおろそかにされています。
 
 性は2つあるのです。男は男らしく、女は女らしく生きることへの提案はどこもおかしいことではありません。しかし、その前に、だれもが「人間は人間らしく生きること」が求められるのです。だれもが人間らしく生きることを「平等」に「自由」に追求できるのです。人と社会に迷惑をかけない限り、どのような生き方をしようとそれは自由なのです。自由な生き方と平等であることへの追求、それを男女の視点から討論し、課題を明らかにすることはとても大事なことです。
 
 「女はこうあるべき、男はこうあるべき」は、それぞれの人がそれぞれに考えることです。他人が他人に意見や考えを押し付ける時代は終わったのです。そのような時代背景を明らかにしながら、新しい時代にあった男女平等の課題をみんなで見つけていきたいものです。エセナは、そのようななかで活性化します。
 
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