「傷つくことを恐れず」「自分で決める力を」
東京新聞2006年1月3日付
くれよんくらぶ699号
 
 東京新聞1月3日付「格差社会の自分探し・・・オトコが揺らぐ」の記事を転載します。タイトルは「傷つくことを恐れず」「自分で決める力を」です。
 
 ついに「人口減社会」に突入した日本。その大きな理由に挙げられるのが「未婚、晩婚化」だ。
 
 女性の社会進出が原因とされがちだが、30〜34歳の未婚率の推移を見ると、上昇は男性が際だっている。2000年時点で42・9%と、30年間で4倍近くに。(1970年では11・7%) 同じ年の35〜39歳の未婚率も男性25・7%、女性13・8%の大差だ。
*30〜35歳の未婚率表の推移では、1970年で男性11・7%、女性7・2%、
 
 毎年男女とも、10ポイント平均上昇で、2000年には男性42・9%、女性26・6%となっている。
 
 結婚した男女の出会いのきっかけを見ると、高度経済成長期前には「見合い結婚」が過半数をしめていたのに(1955〜59年51%)、00〜02年にはわずか6%に。伝統的な結婚支援の崩壊が、男性の側に大きな影響を与えている。また、「職場の上司の紹介で交際を始める」といった形も減った。「結婚しないと出世に響く」といった意識もあまり見られなくなった。独身にとどまる25〜34歳の男性の理由を見ると、「適当な相手にめぐり合わない」「必要性を感じない」という回答が目立つ。「異性とうまくつきあえない」人も1割ほどいる。
 
この変化を専門家はどう見ているのか。
 
 国立社会保障・人口問題研究所の岩澤美帆主任研究官は「結婚したい、恋愛したい人は今も多い。でも出会いは運任せ、いつか結婚できると思っている」という。東京大学社会科学研究所の佐藤博樹教授も「出会いを後押しする存在がなくなり、コミュニケーション能力も落ちている。待っていては出会いはないと自覚しなければ」と強調した。聖心女子大学文学部の岩上真珠教授は、今楽しければそれでいい「現在主義」の考え方と、相手を自分で探さなくてはいけない「自己決定社会」を背景として挙げた。
 
 子どものころから親や周囲が決めたルートを進み、自分で選ぶという訓練が足りない。結婚という重い決断にためらい、先送りしてしまう若者も多いという。岩上教授は「あなたにできること、しなくてはならないこと、社会から期待されていること教え、自己決定力を育てる必要があるでしょう」と説いた。
 
<<戻 る