2006年度エセナフォーラム
くれよんくらぶ852号
報告者 ふぼれん事務局長 菅野 司
 
 7月日(日)、男女平等推進センター「エセナおおた」を会場にして、2006年度のエセナフォーラムの第1日目が開催されました。1日目のタイトルは「男女雇用機会均等法施行20周年シンポジウム」「キャリアアップの秘訣〜夢をもって働ける社会」です。午後1時から3階多目的ホールには100名近い参加者が集いました。従来のイベントとの違いは、きらりと輝く若い女性たちの参加が特に目立ったことです。
 
 パネリストには、大田区民であり大田区男女平等推進区民会議員であった「岩田喜美枝さん」(前厚生労働省児童家庭局長、現資生堂取締役執行委員)、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの人事課長である「山本尚人さん」、リクルートHUMAN・AD編集長の「渡邊嘉子さん」の3人でした。全体としての感想は、タイトルと一つであった「均等法」との関連では、3人はそれなりに絡んで発言していましたが、「キャリアアップの秘訣」の部分では、若い参加者に十分に訴え切れていないと感じました。しかし、3人のお話はそれぞれ興味深く聞ける内容でした。
 
 岩田さんは、雇用機会均等法策定の国側の一員として、均等法の光と影の部分をわかりやすくお話をしてくれました。1986年当時、日本の労働者の管理方法は「男女別管理」、機会均等法の制定で「総合職、一般職というコース別管理」、そして現在は「一人ひとりの能力と成果を基にした個別雇用管理」へと移行してきた過程を説明。しかし、20年たっても変わらないものとして、「子育てをしながら仕事を続けることの困難性」、大きく変わったものとして、女性を中心に「非正規雇用の増大」をあげていました。
 
 山本さんは、自社での「ノー残業デー」の取り組みを「日本型労働・・個人技を中心とする野球型」と、「欧米型労働・・時間的限定のなかでの集団型」とを比べるなかでの取り組みを紹介。勤務時間通りに仕事をやりあげる習慣を身に着ける大切さ。社員が集団として一丸となるために「『さん』呼びを社長も含めて徹底」。社内完全禁煙と「禁煙誓約書」の提出と「積極的密告制度」などを、面白く報告していました。
 
 渡邊さんは、若い時の思い出を交えながらのお話を。経済社会のなかでは女性は信用されていないし、期待されていないと感じ、何回も転職を余儀なくされた経験を実感を持って語っていました。仕事を通して社会に役立つ人間になりたいと、27歳でリクルートに入社。「子どもを産んでも会社に役立つ人間になる」と社長に手紙を出した思い出や、出産時に「家から定期的にレポートを出し続けて思い出などを披露していました。
 
 会場からは「ワークライフバランス」に関する質問が多く、岩田さんは「経済の分野での国際競争の激化」をあげながら、そのような中で「新しい試み」の提案との意見を披露。しかし、会場からは「日本の企業全体で実現できるのか」との疑問の声も。岩田さんは、「先入観にとらわれている日本の中小企業の考え方」を変えれば「できる」とお返事をしていました。これからは「いい人材の確保こそが企業成長の土台」「最後まで自分らしさを発揮できる時代となった」と語っていました。しかし、8割以上の働くものが中小零細企業で働いている現実を考えると、「ゆめ」で終わる可能性も十分あると感じました。
 
 7月2日は11の団体が朝から夕方まで、それぞれテーマで分科会を開催。参加11団体名は以下の通りです。(カッコ内の数字は分科会参加者数です)
 
 FPネットおおた(お金がたまる家計術/16)、OTA子育て支援ネットふぼれん(女性議員と語る会/24)、大田区男女平等推進区民会議(23)、「ココ軽」編集委員(わたしらしく/17)、ストリートチルドレンを考える会(26)、WFWP(エイズ問題/21)、つぶ(からだとあそびをダンスで/17)、NPO法人男女共同参画おおた(11)、NPO法人予防医学研究会(12)、ふぇみねっとおおた(カラーセラピー/18)、保育ネットワークBear(おとうさんとあそぼう/57)。1日の参加者は107人、2日の参加者は234人でした。
 
 ふぼれんが担当した「女性区議会議員と区民との語る会」には、公明党から清波貞子さん、古山昌子さん、共産党から清水菊美さん、生活者ネットワークから奈須利江さん、緑の党から野呂恵子さん、改革110番から犬伏秀一さんの5人が参加してくれました。コーディネーターはふぼれんのアドバイススタッフで、アワー・プラネット・ティービー事務局長の池田佳代さんが担当してくれました。
 
 ふぼれんは男女平等推進センター「エセナ」の開設以来、常にエセナの活性化の一翼を担ってきました。会則の「12の目的」のなかにも、「男女平等・男女共生社会の実現と具体的課題実現のための活動の推進」を掲げている団体です。さまざまな市民活動団体があるなかで、「男女平等の推進」を会則に明記し、常に活動のなかで、そのテーマの実現を追及している数少ない団体のひとつです。
 
 2日間のイベントを通じて感じたことは、依然として「男女平等」は知識のなかには入り始めてきたが、現実社会のなかでは、戦後からそれほど大きな変化はしていないということでした。国の制度の充実、知識の変化はあるものの、「ヒトの潜在意識」は、ほとんど60年前のままと感じました。男女平等が「意識のなかで当たり前」の時代になるのは、まだまだ遠い先のこととなりそうです。しかし、決してあきらめずに、いつでも、どんなときでも、「男女が共生していける社会」をつくるためにがんばりたいと思います。