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くれよんくらぶ896号
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「ポスト小泉でどうなる日本」パート2 少子化
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東京新聞9月6日付
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| 東京新聞9月6日付朝刊シリーズ「ポスト小泉でどうなる日本」のパート2で少子化を取り上げていました。「小泉首相は、少子化対策費を増やしてきたが、改善傾向は見えない」との評価です。安部官房長官はそのマニフェストで「家族の価値や地域の温かさの再生と子育てフレンドリーな社会の構築」の2項目を掲げるだけで「少子化対策については素っ気ない」と表現しています。また「安部氏が取りまとめ役となった政府の『少子化社会対策会議や再チャレンジ推進会議』」の議論の中身を掲載。「家族の日」や「家族の週間」などの制定を考えているとのこと。谷垣財務相の声としては「結婚を遠ざける若者の長時間労働を減らし、安定した雇用機会の提供」とし、麻生外相の声としては「人口減少こそ、豊かさを上昇させる可能性がある。人口が増えなければ、一人当たりの豊かさは高まる」としている。それに対して、コメンテーターとして「大日向雅美・恵泉女学園大学院教授」の声を載せています。全文を掲載します。 |
| 大日向雅美恵泉女学園大学院教授のコメント |
| 少子化は安心して子どもを産めない、育てられない社会の生きづらさを示すSOSだ。安部氏は家族・家庭の価値を見直すことを強調しているが、国民が意識改革をすれば、みなが子どもを持つ喜びに目覚めるかといえば、違う。若い世代は、結婚して家庭を持つことに、決して後ろ向きではない。結婚し、子どもを産むことを願っている人が大半だ。でも結婚できない、結婚して子どもを産んでも一人が限度というのは、社会のシステムに問題があるからだ。 |
| 国はこうした社会の構造的問題を解決しなくてはならない。働き方を見直し、子どもを持っても失うものが少ないよう、男女ともに安心して働くための保育の整備とか、地域の子育て機能を整えていくべきだ。小泉政権は数々の少子化対策を出した点で評価できるが、財源の論議は先送りされた。次の政権は、例えば消費税率アップなど国民が将来に向けた痛みを分かち合うための、納得がいくグランドデザインを描き、メリハリのある施策展開が求められる。 |
| 一人当たりの子育てに数千万円もかかる状況も問題。経済的負担が大きい高等教育問題での支援は手薄だ。公立が信用できないから幼稚園から「お受験」というケースもある。本来なら必要なない部分にもお金をかけているわけで、公教育を充実して家庭の負担をなくす必要がある。・・・以上。 |
| ふぼれん事務局長 菅野 司のコメント |
| 少子化の原因はいろいろあると思う。しかし議論すべきは少子化ではなく、次世代育成支援である。だれもが安心して子どもを産み、ゆとりを持って育てきることができる社会づくりこそ急務である。若い人の多くは、結婚や子育てにチャレンジするという「自信感」を失っていることで、晩婚化が進んでいる。そのくらい現代の子育て事情は困難を期している。国も自治体も、テーマを少子化にした時点で、誤りが生じてくる。子どもたちがなぜ結婚しないかを議論することは、その誤りを助長することにしかならない。だいたい「結婚する、しない」は百人百様である。大切なことは、国や自治体の未来を担う「次世代育成支援」である。外国の事例など研究する前に、日本の文化・経済などの特徴を研究し、それをベースに支援策を確立すべきである。 |
| 財源の議論も同様である。その議論をすると、結局「消費税アップ」を肯定することになる。格差が急速に広がり、生活実感として「苦しくなった」とこたえる子育て家庭が増えているなかで、「消費税ならいい」では貧しい家庭をより貧しくしていく。現状の財源の中で、施策展開の方向性をどのように軌道修正すれば、事態を打開できるのか、もっと知恵を絞るべきである。現状の財源でも十分に対応できる。財源の振り分け方である。特に、公務員の給与と手当てを大胆に削減すべきである。国も自治体も、公務員組合との癒着で腐りきっている。そのことは誰の目にも明らかになっている。まず、そこの改革から着手すれば、子育て家庭対策費や次世代育成支援費だけでなく、高齢者対策の費用も十分すぎるくらい捻出できる。 |
| ほかにも、現場を十分に把握していない人たちで、審議会を構成したり、政策を作ったりしているから、何も進まないのである。いくつもの研修会、講演会、学習会に参加しても、話されるデータは大企業と一部キャリアの母親の声でしかない。日本の国の大半の子育て家庭は、中小零細で働く人で構成されている。それらの人を対象にしたデータをもとに、実態に見合った施策を確立すべきである。そうすれば「男も育児時間や育児休業を」などという、バカげたスローガンをみることはなくなるだろうし、子育てにおける母親・父親の役割のあり方も、なんでも平等に分担するなどという考え方もなくなるだろう。大企業や大学の中からでは、日本の本当の姿はわからない。本当の姿は、それ以外の中で進行しているのである。 |
| 大田区という日本の国を凝縮したまちで、子育て支援を展開していると、本当の子育ての家庭の姿がわかる。年間百件近い入園相談や、学童の入室相談をしていると、子育て家庭における、母親と父親の役割が逆転していることに気づかされる。ゆとりがない中での子育てが、子どもたちの生育に大きく影響していることに気づくべきである。 |