「保育サービス充実のための行動指針」と
「平成14年度保育園の運営主体の多様化に関する実施要領」
に対するふぼれんとしての考え方
OTA子育て支援ネットふぼれん 大田区保育園・児童館父母の会連合会作成

● 区立保育園の民間委託・民営化に対するふぼれんの考え方

 行政は現在ある区立保育園の運営に民間事業者を活用する場合の方法として「区立民営」と「民立民営」を示しました。しかしその違いが明確に説明されていません。ふぼれんは運営形態の違いを以下のように分け、考え方をまとめました。

―区立保育園を民間委託にする場合のふぼれんの考え方―
.
形 態
内  容
ふぼれんの考え方
区立区営
行政の直営 現在の区立保育園 継続には抜本的改革が必要
区立民営
民間委託 上池台児童館方式
(責任主体は大田区)
優れた民間事業者への委託を条件とする
民立民営
※準民営化 現在の私立認可保育園方式 各法人のレベルアップを
営利を認める
民営化
責任主体は事業者
(責任主体は大田区ではない)
区立保育園の民営化には反対
※私立認可保育園は私立幼稚園などと違い、保育料の徴収やすべての運営費などが、公的な財源のなかに組み込まれています。ふぼれんは私立認可保育園方式の形態を「準民営化」と位置づけました。

 ふぼれんは「保育は公的に行う社会的な事業」ととらえています。そのためどのような運営主体であっても、行政の責任は明確にされる必要があると考えています。したがって区立保育園の運営を民間に移していく場合は、民間事業者への行政の責任が明確で、かつ住民の関与が可能な「委託」の運営形態でなければならないと考えています。委託先の民間事業者の職員にも準公務員としての中立・公平な立場が求められていると考えます。ただし、柔軟な対応をはかるうえでの自由裁量を認めていくことは必要です。


●「平成14年度保育園の運営主体の多様化に関する実施要領」の問題点
 「保育サービス充実にむけての行動指針」の発表に伴い、最初に出された実施要領「運営主体の多様化に関する実施要領」には、民営にしていく場合の違いが明確に示されていないことも含め、多くの問題点があります。以下の問題点を明らかにし、要領の見直しが求められます。

@ 「区立民営」・「民立民営」の違いが明確でない。
A 「区立民営」・「民立民営」ともに「民営化」と表現されているが、「民営化」とは一般的に事業主体そのものが民間(JRなどの例)になることを指すと考えられる。
B 「民立民営」の場合の資産(園舎・土地など区民の財産)が将来的にはどのように扱われるかが示されていない。
C 民間運営のメリットとして「長時間(13時間以上)保育、休日保育など保育ニーズに沿った運営を弾力的に、かつ速やかに実施します。」とだけあるが、これだけではメリットとして不十分であり、区立保育園で実施できない理由が説明されていない。
D 現在ある区立保育園をどのように見直し改善するかにはまったくふれられていない。
E プロポーザルの選考委員会の設置とそのあり方・構成員が示されていない。

● 望まれる保育園とは
 ふぼれんは、これまでも多くの父母の意見や願いを政策にして区議会・行政・保育園・児童館に届けてきました。しかし急速に変化する社会の現状と区の保育サービスには、大きなずれがあり、区立保育園が父母と子どものニーズに応えていない現状があります。ふぼれんは区立区営・区立民営がともに、父母の立場と子どもの育ちを守りきることのできる以下のような保育園づくりにこころがけることを要望します。

1、 社会の大きな変化を把握・分析し、父母のニーズに積極的・柔軟に応える。
2、 時代に即応した、質の高い保育を創意と工夫で実践する。
3、 連携と協働の考え方に立ち、父母の会を「住民自治の学びの場」および父母が育ちあう場と位置づけ、父母が区民としての自治意識を育てあうために、父母の会を積極的につくり支援する。
4、 父母・地域住民とともに取り組む保育園づくりのために「運営協議会」を設置し、利用者である父母・地域住民の意見が反映できるしくみをつくる。
5、 保育園運営という公的な事業を担う事業体として社会的使命感をもって運営にあたる。
6、 社会福祉法人・NPO法人・企業の運営であっても区立保育園と同等の正規職員を配置する。
7、 企業の運営であっても社会福祉法人と同等の職員の給与を保障することに努力する。

8、

給食業務は、受託事業者が直接おこなう。
9、 地域との連携をはかり、地域に根ざした保育園として地域の子育て家庭支援の拠点とする。
10、 職員の「学習・研修」を運営の重要な柱と位置づけ、職員の意識改革に心がける。
11 行政の責任を明確にし、行政が直接指導のできる区立民営の保育園。
12、 全区的な子育て支援団体との意見交換会を積極的に実施する。

● 保育サービスと保育の質の向上のためのシステムづくり
 今回の発表のなかに、第三者評価制度の導入があげられています。国や都が民間委託・民営化を推進していく場合を含め、保育サービスと保育の質を向上させていくために提唱した制度です。ふぼれんは、この第三者評価制度の導入にあたっては、必ず保育園の質の向上につながるシステムとして、大田区独自の導入にともなう制度の確立と見直しが必要と考えています。それは保育園の改革は保育園の職員の自己評価・意識改革なしには実現しないと考えるからです。ふぼれんは保育園の質の向上のために以下のことを提案します。

@ 職員研修の定期的実施と父母・住民への研修内容の公開と説明。
A 大田区独自の第三者評価制度の導入。
B 保育園・保育オンブズマン制度の確立。
C 各保育園に父母の自治組織(父母の会)をつくり、保育園ごとに父母とともに質の向上をはかる

● 利用者のニーズとは
 大半の父母は「自宅に近い」ことを理由に保育園を選びます。保育園の評価が公開されても、父母の選択肢の範囲が大きく広がるわけではありません。そのことを考えても大田区内の保育園すべてが「父母のニーズ」に応えられるように、職員研修を積極的・継続的に行い、「質の高い保育を保障できるシステム」を創りあげることが求められています。そこには「父母とともに」という姿勢が不可欠であることはいうまでもありません。それが父母の望む「父母のニーズに応える」ことなのです。

 ふぼれんとしては、事業者選考のシステムが利用者である父母のニーズに応えることのできる民間事業者のみが参入できるシステムでなければならないと考えています。そのために区民も参加した選考委員会をつくることを要望します。
 
ふぼれんは、区立保育園にはパイロット的役割の自覚が求められていると考えます。今回の「保育サービス充実のための行動指針」発表を機会として、区立保育園としての保育園運営の改善方針案の発表を望んでいます。

 現在、父母の会ごとに父母の会役員会を開催し、どのような保育園を望むのかの「聞き取り調査」を実施しています。この調査はすぐれた民間事業者だけが参入できるシステムづくりの土台となります。ぜひ皆さんのご意見をお聞かせください。

事務局 3766-3407  Eメール info@fuboren.net

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